rock

 

2000年 アルバムベスト10!Part1

ミレニアムと騒がれた西暦2000年もあっという間に過ぎ去っていきましたが、2000年もロック界は名作が目白押し!!リマスターも盛りだくさん!というわけで一挙(^^;ご紹介です!!(ちなみに順不同です)

 

No.1FREE
No.2 PEARL JAM
No.3 XTC
No.4 PAUL WELLER
No.5 PATTI SMITH
No.6以降

 

FREE 「SONG OF YESTERDAY」


ISLAND
IBXCD3/542499-2

Member

DISK 1
1.Over the green hills
2.Walk in my shadow
3.Wild indian woman
4.Guy Stevens blues
5.Visions of hell
6.I'm a mover
7.Moonshine
8.Woman by the sea
9.Free me
10.Long tall Sally
11.Broad daylight
12.The worm
13.Trouble on double time
14.Spring dawn
15.I'll be creepin'
16.Suger for Mr.Morrison
17.Song for yesterday
18.Woman
19.Mourning sad morning
20.Fire and water
DISK 2
1.All right now
2.Oh I wept
3.Remember
4.Don't say you love me
5.The stealer
6.The highway song
7.On my way
8.Sunny day
9.Ride on my pony
10.Love you so
11.Soon I will be gone
12.My brother Jake
13.Makin' love (only my soul)
14.Rain
15.Get where I belong
16.Only my soul
17.Travellin' man
18.Molten gold
DISK 3
1.Little bit of love
2.Souldier boy
3.Sail on
4.Guardian of the universe
5.Child
6.Honky tonk women
7.Lady
8.Muddy water
9.Heatbreaker
10.Wishing well
11.Let me show you
12.Let me show you
13.Muddy water
14.Common mortal man
15.Heatbreaker
16.Seven angels
DISK 4
1.Ride on my pony
2.Be my friend
3.Fire and water
4.The stealer
5.Don't say you love me
6.Mr.Big
7.I'll be creepin'
8.Free me
9.Woman
10.I'm a mover
11.Walk in my shadow
12.Song of yesterday
13.All right now
14.Crossroads
DISK 5
1.Paul Rodgers & the Maytals/(I just wanna)See you smile
2.Peace/Like water
3.Peace/Zero BC
4.Sharks/Ol' Jelly Roll
5.Sharks/Follow me
6.KKTR/Fool's life
7.KKTR/I'm on the run
8.KKTR/Sammy's alright
9.KKTR/Hold on
10.Rabbit/Tuesday Williamsburg
11.Rabbit/Unseen love
12.Paul Kozzoff/John Martvn / Time spent(Time away)

突如発売されたフリーの5枚組未発表バージョン集が本作です。ごらんの通りのボリュームで既に驚きなのですが、更に驚きなのが、ディスク4の一部ライブ音源を除いて全て未発表バージョンであるということです。全編ライブのディスク4は既発表音源を含ますが、それでもこれまで「フリー・ライブ!」で欲求不満を感じながら「いつかは完全盤を!」と切望していたファンにはありがたいことこの上なしのボリューム。唯一残念なのは日本盤が発売されておらず、解説等が全然読めないこと。(T_T)何が書いてあるのかわからないのです。(ToT) セールスを見込めないということなのかもしれませんが、とても寂しいことです。

ディスク1〜3はスタジオアルバムの別バージョン、リハーサルテイク、未発表曲が主体で、確かに曲によって出来不出来があります。しかし、これまで埋もれていた、ポール・コゾフのうねるギターが聴けるだけでもこれは幸いといわねばなりません。ブルースを主体としながらも、「ロング・トール・サリー」「ホンキー・トンク・ウイメン」などを取上げているのも興味深いです。以下、未発表曲を主にご紹介します。

DISK 1
「4」はブルースを基調としたジャムで、オルガンにはスティーブ・ミラーも参加しているようです。コゾフのギターが壮絶です。
「5」はスローなイントロからヘビーに展開する構成。
「8」はダルなリズムにコーラスが絡みます。
「13」はセカンドアルバムに収録されている同名曲の別バージョン。こちらの方がヘビーなつくりで同名曲とはわからないほど構成が異なります。どちらかというとリズムの切れが抜群なオリジナルアルバムバージョンに軍配。
「14」はアコギ一本とベースをバックにコーラスを交えポール・ロジャ−スが歌うスローナンバー。
「16」は、シングル「I'll be creepin'」のB面曲。CD初登場です。
「19」は、アウトテイクながらボーカルにエコーがややかかり気味で迫力はオリジナルに劣りません。

DISK 2
「1」は同名曲の別バージョン。最初に入るコーラスがたまりません。コゾフのリフも軽やか。サイモン・カークのドラムはライブでの演奏に近い。
「14」は「My brother Jake」と同時期のセッションより。アコギをベースにリラックスした雰囲気です。レゲエっぽいリズムでもあります。
「15」はこれまで「フリー・ライブ」において、「The hunter」のあとフェイドインしていたものですが、こちらは完全版。
「16」は「My brother Jake」のB面。CD初登場。
「18」はこれまで、ポール・コゾフのソロアルバム「Back street crawler」に収録されていましたが、その元となるバージョン。ラビットによるキーボードがダビングされていません。

DISK 3
「7」は日本ツアーのリハーサルより収録とのこと。よってポール・コゾフは参加せず、ギターをポール・ロジャースが担当しています。
「9」はこれまでレコード盤のベスト「フリー・ストーリー」に収録されていたライブバージョン。CDの同名ベスト盤は同名曲をカットしていました。
「10」は同名曲のコンガ入りバージョン。何とも妙な雰囲気です。
「12」はシングル「Wishing well」のB面。

DISK 5
メンバーがフリーと並行して、あるいはフリー解散後に結成したバンドやソロ作品からのアウトテイク、未発表曲を収録。なかでも「12」はポール・コゾフによる18分にも及ぶ作品で、オリジナルが6分弱なのに比べ長尺版となっています。ポール・コゾフファンは泣かずにいられません。

 

PEARL JAM 「BINAURAL」

SME SRCS 2298-9
1.Breakerfall
2.God's dice
3.Evacuation
4.Light years
5.Nothing as it seems
6.Thin air
7.Insignificance
8.Of the girl
9.Grievance
10.Rival
11.Sleight of hand
12.Soon forget
13.Parting ways
---Bonus disk---
Footsteps
Better man
Member

パール・ジャムの、間にライブアルバムを挟んで約2年ぶりとなる第6作目が発表されました。前作のライブアルバムではメジャーにおける自らのキャリアを総括、しかもそれをライブという形で行ったところに、ライブに関して米国の巨大システムと闘い続けてきた彼らなりの意味があったように思います。そういったことが背景にあっての新作ということになるのですが、バイノーラル録音を実施(多分(^^;)したり、ジャケットにハッブル宇宙望遠鏡による星雲の映像を採用したりと、音を聴く前から彼らの意欲が感じられます。ジャケットの星雲は、超新星爆発の様子でしょうか、上下シンメトリーになっている様子はいかにもアルバムタイトルの「バイノーラル」にかけているようです。そして、あたかも爆発の中から新しい星が誕生しつつあるようでもあり。現にピクチャースリーブにはオリオン大星雲でしょうか、新しい星誕生の場として知られる写真が収録されています。

さて、音の方ですが、前スタジオ盤(イールド)に続き、彼らのポジティブさが伝わってくるような、力のこもった作品となっています。エディ・ヴェダーのボーカルはこれまで通り身を切るような切実な唄い方ではありますが、演奏の幅がぐんと広がったような印象を受けます。
「1」「2」「3」と2分台のハードかつラフなサウンドでアルバムはまず幕を開けます。それはあたかもライブの幕開けのよう。そして「4」ではキーボードも絡み音に厚みが増してきます。この辺り、アルバムの構成がよく練られていることを感じます。そして前半のピークとも言える「5」。この重厚さはこれまでの作品ではなしえなかったもの。何よりストーン・ゴッサードとマイク・マッカーディによるギターの表現力が豊というか、多彩になっているのです(ギター約40本をフィーチャーした内ジャケットのスタジオ風景!)。そのことは、今はなき「サウンドガーデン」を彷彿ともさせる「7」、スローながらもアコギが複雑に絡む「8」でも顕著です。そして、キーボードともギターともつかない奇妙な効果音が印象的な「11」も又濃厚なギターサウンドを堪能できます。かと思いきや「12」では軽やかなウクレレ。そしてバイオリンの音と共にアルバムは幕を閉じます。

このように、本作を通じて言えることは、音づくりの丁寧さが際だっているということ。「バイノーラル」というタイトルが示すとおり、「バイノーラル録音」されているのかも知れません(何せどこにもそのクレジットがないし、ライナーにもそのコメントがなくて。。)。わが家のヘッドフォンが安物なだけにその辺の判断が付かないのが残念ですが。。(^^;
尚、バイノーラル録音というのは、一般的にはヘッドフォンで聴いたときにあたかも目の前で演奏がされているように感じることの出来る録音手法のことをいいます。録音マイクの所に人間の頭のような物を置き、そこ(耳の所)に二つのマイクをセットすることにより、人間がそこで聴いているかのような録音をすることが可能になるといわれます。ただ、バイノーラル録音された音源としては、私はルー・リードの「ストリート・ハッスル」くらいしか知りません。(^^;;

 

XTC 「WASP STAR 【APPLE VENUS Vol.2】」

Canyon International
POCY-01449
Member
1.Playground
2.Stupidly happy
3.In Another life
4.My brown guiter
5.Boarded
6.I'm the man who murdered love
7.We're all light
8.Standing in for Joe
9.Wounded house
10.You & the clouds will still be beautiful
11.Church of women
12.The wheel & the maypole
1999年のベストテンコーナーでも取り上げました「アップル・ヴィーナスVol.1」に続く「Vol.2」の登場です。前作発表の段階で既にVol.2は予告されており、Vol.1に比べエレクトリック色が強まっているとのことでしたが、噂通り、1曲目からいきなり「ブラック・シー」或いは「ビッグ・エクスプレス」の頃を彷彿とさせるギターリフが。それが又何ともバッド・フィンガーの「嵐の恋」を彷彿とさせて。早速XTCによるブリティッシュ・ポップス巡りの始まり始まりです。(^^;前作が笑ってしまうような「ド」ポップ集でしたが、本作もなかなか引けを取らないもの。Vol.1,2がミックスされて2枚組になっていたら、どんなものになっていたろうと想像するだけでも楽しいというか怖いというか。当初の話ではもっと早くに登場するかのようでしたが、思ったより時間を要しての登場です。いずれにしても出て良かった。

本作の軸となっているエレクトリックさの中にも変化球を忘れないのがコリン・ムールディング。アコースティックな「3」「5」(もろ「マーマー」の頃のよう)や、「8」(メイキン・プランズ・フォー・ナイジェルみたいなタイトル?)がそうなのですが、「2」もコリン調。ぢつはアンディ作品なのですが。。。

全体的な感想としては、前述の通りやはり2枚を通して味わいたい作品かなということ。アコースティックな音づくりが独特の肌触りをもっていた上に変態的なポップスさが楽しくてたまらない前作に対し本作はエレクトリックな分従来の流れを踏襲しているようで今ひとつインパクトに欠ける気もします。

尚、ライナーによればタイトルの「WASP」とは、アングロ・サクソン系人種のことをいうのではなくてアステカ語の「ヴィーナス」なんだそうです。

 

PAUL WELLER 「HELIOCENTRIC」

Island POCP 7470
1.He's the keeper
2.Frightened
3.Sweet pea,My Sweet Pea
4.Back in the fire
5.A Whale's Tale
6.Dust & Rocks

7.There's no drinking,After You're Dead
8.With time & Temperance
9.Picking up sticks
10.Love-Less
11.Heliocentric
12.Bang Bang
ポール・ウエラーの、オリジナル作品としてはまる3年振りとなるニューアルバムの登場です。ジャケットは、いかにも60年代!という雰囲気をたたえています。内容の方は前作「ヘビー・ソウル」のような押し出しの強さは感じさせないものの、聴けば聴くほどより深さを感じさせる、内容の濃い、かつ前作とは異なりとても緻密な音作りのなされた作品に仕上がっています。

本作でのポールのギターは、派手なソロを聞かせることはありません。1曲目でのソロなんて、抑制が効いていると言うか、物足りないくらいというか(ソロ後半でトーンを変えるところなんて何とも小憎らしい演出ですが)。主役はあくまでボーカルなんですね。とまあギターは脇役に撤している訳ですが、地味ながらとても印象的なフレーズを随所で聞かせます。5、6曲目でのギターのシンプルながら何と素晴らしいこと。スライドが泣けます。アコギ、ストリングス(時としてカーティス・メイフィールドを思わずにいられません)と合わせ、ギターが各作品の叙情性を高める効果を十二分に果たしていることがわかります。
また、もはや定番と言えるスティーブ・ホワイトのドラムは本作でも活躍。この人のドラムは本当に心地好いですね。(特に5曲目からの中盤!)

メロディの作り込みにより磨きがかかっている本作、時としてジャム時代、スタイル・カウンシル時代にも見られたような曲作りをしながらも、全体としては比較にならないほど深みのあるものとなっています。10曲目は9曲目までとは又異なり、新たな次元に到達したかのよう。どうやら本作をもってポールは、そのソウル指向において「重さ(ヘビー)」から「深さ」に向けての新たな一歩を踏み出したようです。

追:1曲目は(スモール)フェイセズに在籍していたロニー・レインに捧げられた曲。3曲目は「リアへ」となっていますが、自身の子供さんに捧げた曲でしょうか。

 

PATTI SMITH 「GUNG HO」 

BVCA-21068 Arista

1.One voice
2.Lo & beholden
3.Boy cried wolf
4.Persuasion
5.Gone pie
6.China bird

7.Glitter in their eyes
8.Strange messengers
9.Grateful
10.Upright come
11.New party
12.Libbie's song
13.Gung ho
パティ・スミスの約2年半ぶりの新作です。とにかくここ3作のパティは、ペースが早い!前々作が96年、前作が97年!そして今年ですから。かつて7年も8年も作品がなかったことがざらだったこと、私生活では様々な不幸に見回れていたことなどを併せ考えると、その創作意欲にただただ驚かされます。

さて本作のタイトル「ガン・ホー」とは「積極に」とか「ひたすら」とかいう意味なのだそうです(ライナーより)。そして内容の方も前作までの祈りにも似たような唄とはうって変わって、タイトルが示すとおりアップテンポ主体で、詩が判らなくても彼女のポジティブさがひしひしと伝わるもの。

アルバムジャケットに写る兵士はパティの父親だそうです。更に裏ジャケットのひげの老人は「ホー・チ・ミン」氏だそうで、なにやら政治的な意味もありそうですが、そういったことよりも、タイトルが示すポジティブな姿勢、彼女が以前から唄にしてきた「目的のために力を合わせる」(本作でも1曲目からそれが顕著です)ことをあらわしているようです。

「1」はいきなりサイケなギターが響き渡り戸惑いますが、地の底からわき上がるような、徐々にパワーを上げていくパティのボーカルに胸が詰まります。タイトルが示すように「声を一つにする」ことを唄っています。なんて力強い人なんだ!1曲目でメロメロにさせてくれるなんて!!
「2」は1曲目の力強く、重いビートに代わりレゲエタッチのビート。ちなみに参加メンバーは前作とほぼ同様のようです。ギターはレニー・ケイ&オリバー・レイ、ベース・キーボードがトニー・シャナーン、ドラムがジェイ・ディー・ドゥーティ。
うねるようなビートにのせて唄われる「3」に続き、かつてのパティ・スミスグループ時代を彷彿とさせるアップテンポの「4」。ギターソロは息子のジャクソンが担当しているとのこと。結構本格的なソロなので息子と聞いてビックリ。今はなき夫フレッドとの共作です。続く「5」は今風のダンサブルな曲ですが、メロディアスなこと!この辺に本作のパティらしさが良く出ているのでは。なにか吹っ切れているし、音楽を楽しんでいる雰囲気に満ちています。スローな「6」を一曲だけ挟んで再びスピードアップする「7」。アナログ盤ならここからB面が始まるぞ、という感じ。聴くものをあおりまくるパティのボーカルに胸も高まります。「8」は余裕綽々の一曲。詩の内容はよく判りませんが、こういう曲にもパティのボーカリストとしての自信を感じます。「9」は「グレイトフル」と言う名が示すとおり、グレイトフル・デッドのジェリー・ガルシアにインスパイアを受けた曲とのこと。「10」「11」と一気にスピードアップしクライマックスに向かいます。そしてバイオリンをフィーチャーしたアコースティックな「12」、唯一とも言えるかつての祈りにも似たボーカルが蘇るタイトルソングの「13」でアルバムは幕を閉じます。ホー・チ・ミンを唄った「13」でバックに流れる効果音はヘリコプターの音のようでもあり。。。

本作のパティはこれまで以上にメッセージ色が強いのですが、私には何より力のみなぎった熱いボーカルと一曲一曲のメロディのすばらしさ、それとそれと、彼女を強力にサポートするバックのすばらしい演奏が嬉しい作品です。

No.6以降はこちら